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だって、私はお姉ちゃんだから ◆44Kea75srM 長めのネイルが掌の皮膚を突き破るほど強く、アタシは拳を握り込んだ。左右の手でグッと。痛みを堪えるように。 違う。堪えていたのは痛みは痛みでも心の痛み。身体はそりゃ、多少の傷や疲れはあるけれども、健康そのものだ。 だけど心は摩耗して、疲弊して、嗚咽を漏らしたいほどに苦しんでいた。アタシはただ、その痛みに耐えた。 限界はすぐに訪れた。心が悲鳴をあげる。我慢は辛い。吐き出したい。吐き出したいよ。耐えてもいいことなんてない。 それでもアタシは必死に耐えようと、拳を地面に打ちつけた。ガッ、ガッ、ガッと。何度も何度も打ちつけた。 皮が剥け、傷が走り、血が滲む。すぐに両手がボロボロになった。日頃の手入れが馬鹿らしくなるくらいの有様だった。 たぶん、美優さんが止めてくれなかったら、アタシはもっと続けていたと思う。それこそ、両手が粉々になるまで。 「そんな……嘘だよ。いつもの冗談でしょ? お姉ちゃんをからかおうって……そういうのじゃ、ないの?」 美優さんに後ろから羽交い絞めにされながら、じたばたと暴れる。周囲は住宅地、住人がいたら奇異の眼差しを向けられただろう。 よかった。ここがアタシの知ってる街じゃなくて。ううん。別にいいよ。誰が見てたって構わない。 アタシはただ叫びたかった。悔しさと悲しさをなにかにぶつけたくて、暴力の権化になろうとしていた。 「どうして……どうして莉嘉が死ななきゃならないのっ!?」 アタシはちひろさんの放送を聞いた。殺し合いが始まってから六時間、その間に死んだアイドルの名前を読み上げる放送を。 その中にアタシ、城ヶ崎美嘉の妹である城ヶ崎莉嘉の名前があったのだ。ちひろさんはいつもの調子で、莉嘉の名を呼んだ。 なにそれ。なんでそこで『城ヶ崎莉嘉』って言うの? だって、それじゃまるで、城ヶ崎莉嘉って名前の子が死んだみたいじゃん。 違う。『みたい』じゃなくて、本当に死んだんだ。城ヶ崎莉嘉って名前のアイドルは死んだ。アタシの妹は、死んじゃった……。 「うぅ……ぁあああああああああああああああああああああああああ…………」 放送が終わって数分、アタシと美優さんは放心状態に陥り――そしてまた数分、アタシはその場に崩れ落ちた。 ピンキーハート全開のカリスマギャルで通しているアタシが、往来の真ん中で外聞もなくわんわん泣き喚いた。 美優さんはそんなアタシを見てどうしていいかわからないようだった。泣き崩れるアタシから距離を取り、おろおろする。 「美嘉ちゃん…………」 わかるよ美優さん。アタシが美優さんの立場だったら、同じようにおろおろしてたと思う。でもごめん。止められないんだ。 叫び声が止められない。悲しみの涙が止められない。失意が止められない。どこまでもどこまでも、どん底まで落ちていく。 いまのアタシはアイドルじゃない。おもちゃを買ってもらえなくておもちゃ屋さんで駄々をこねる子供だ。 泣いたり、床を転げまわったりしても、なにも変わらないってわかってるのに……っ! どうしよう、アタシ、子供だ! 「嘘だって、嘘だって言ってよぉ…………莉嘉ぁ――――っ!」 近くに誰か、凶暴な人がいるかもしれない。ただでさえ、数時間前には愛梨ちゃんに襲われたばかりだっていうのに。 でも、いいよ。いまなら誰に襲われたっていい。そんなことより、いまは泣きたいんだ。泣けるなら、襲われるくらいっ。 「えぁぁああうああああああああああ……っぐぁああっ……ぅああわあああああああああっ、ああ~……」 アタシは……アタシは! この六時間、いままでなにをやってたの!? なんでもっと必死にならなかったんだ、城ヶ崎美嘉! 殺し合いが始まってすぐに、もっと積極的に走り回って妹を捜せば……っ、そうすれば、莉嘉は死ななくて済んだかもしれないのに! 誰なの。いったい誰が莉嘉を殺したの!? 今度はアタシが殺してやるから、いますぐ出てきなさいよ! 許さない。絶対に許さない! 違うよぉ……それ以上に許せないのは、アタシだ。アタシ、お姉ちゃんなのに。妹は、お姉ちゃんのアタシが守らなきゃいけないのに。 それなのに、アタシは莉嘉を亡くして……それなのに、お姉ちゃんのアタシはのうのうと生きて! なんでよっ! 「アタシなんて……アタシなんてっ! 莉嘉じゃなくて、アタシが死ねばよかったんだッ!」 また拳を握りこんで、地面に叩きつけた。皮が破けて、赤黒い肉が露出する。骨が見えるまで殴ってやろうと思った。 痛い。痛いよ。だけどこんな痛みっ。妹は、莉嘉は文字通り死ぬほど痛い思いをしたんだ。これくらいっ、莉嘉に比べればっ! 「――美嘉ちゃん!」 振り上げた拳が、不意に動かなくなった。 後ろを見ると、美優さんがアタシを羽交い絞めにしていた。 背後から抱きつくような姿勢で、アタシの凶行を止めようとしている。 「大丈夫、大丈夫だから……!」 美優さんは耳元でそんなことを言ってきた。大丈夫? 大丈夫って? なにが大丈夫なのかわからないよ、美優さん。 少なくとも、莉嘉のことじゃないでしょ? だって莉嘉は死んじゃったんだから。死んじゃったのに、大丈夫なわけないじゃん。 じゃあなにが大丈夫なのよ。この人はどんな根拠があって『大丈夫』なんて言葉を口にしているの? 莉嘉が死んだのに! 「お願いだから、自棄にならないで。美嘉ちゃんが傷ついたら、きっと莉嘉ちゃんも悲しむから……っ」 どこかの人が死ぬ小説から引用したような、綺麗な言葉――だけど、その一言で、アタシの頭は爆発しそうになった。 羽交い絞めにされながらなおも暴れ、結果として美優さんの顔面に裏拳が当たった。そしてそのまま払いのける。 「大丈夫……? 大丈夫なわけないでしょ。そんな綺麗事、軽々しく口にしないでよっ!」 アタシの怒声に、美優さんは怯えたような表情を見せた。鏡はないけど、たぶんそれくらい、アタシは怖い顔をしていたんだと思う。 違うの。美優さんを怖がらせるつもりなんてないの。美優さんに怒ってるわけじゃない。怒ってる場合じゃないのもわかる。 だけどね。やっぱり止められないんだ。自分の感情が抑えられない。暴走っていうのかな。どうにもならないの。 「慰めたりなんてしないで! アタシが泣きやめば、莉嘉は戻ってくるの!? そんなわけ……そんなわけぇ……」 ああもう、駄目だ。声にまで涙が滲んできた。くそっ、くそっ、格好悪いなぁ……こんなんじゃ莉嘉に笑われちゃう。 むしろ笑ってほしいよ。お姉ちゃんカッコワルーって、いっそ懲らしめたいほどバカにされたい。 わかってる。死んじゃったら、もう笑うこともできないんだよね。もう、莉嘉の笑った顔を見ることも、笑い声を聞くことも、できないんだ。 「なんでっ! なんで莉嘉がっ! あの子はこんなところで死んでいい子じゃない。だって、あの子はあんなにいい子で……っ!」 髪を止めていたリボンをほどき、乱暴に頭を掻き毟った。愛梨ちゃんとの銃撃戦で乱れていた髪はさらにぐしゃぐしゃ。みっともないよね。 物に当たるってこういうことを言うのだろう。アタシは肩に下げていたデイパックを掴み、ガンガンと地面に叩きつけた。 中に拳銃とか銃弾入りのケースとか入ってるからそんな音がするのかな。危ないかも。いいよもう。どうなったっていい。 でも美優さんは心配なんだろうね。懲りずにまたアタシを止めようとした。アタシはそんな美優さんに酷いことをした。 デイパックを投げつけたのだ。それも顔面に向かって。美優さんはそれをまともに食らった。顔は赤くなり、鼻から血が垂れる。 「あっ……」 それを見て、アタシはようやく落ち着きを取り戻した。熱く滾っていた感情が、さーっと冷めていく。美優さんの痛そうな姿を見たからだ。 ……なにやってんのよ、アタシ。もう、泣きたいよ。とっくに泣いてるけどさ。そういう意味じゃなくて、とにかく泣きたい。 頭の中こんがらがっちゃって、ぐちゃぐちゃで、上手く言葉にできない。どうすればいいの。どうすればいいのか、誰か教えてよ……っ! 「美嘉ちゃん」 美優さんは。 美優さんは、優しくアタシを抱きしめてくれた。 「ごめん。ごめんなさい。私、年上なのに。私、美嘉ちゃんよりもお姉ちゃんなのに。それなのに、なにもできなくて……」 羽交い絞めじゃない。抱擁、という言葉がぴったりな優しい抱き方。美優さん、母性強いな。こんなの、余計に子供みたいじゃん。 みたいじゃなくて、子供か。アタシ。お姉ちゃんなんて粋がったって、アタシはまだ17歳。どうしようもなく、子供なんだ。 「私、本当に……っ。ひぐっ……」 それに、さ。 なんで美優さんまで泣いてるのよ。 「うぇぐ、えぐっ、りが、莉嘉ちゃん……っ。莉嘉ぢゃん…………っ」 美優さん関係ないじゃん。莉嘉はアタシの妹で、アタシは莉嘉のお姉ちゃんで、莉嘉はそりゃ、美優さんに懐いてたかもしれないけど。 そんなの全部、関係ないよ。人間関係とかそういうのじゃない。もっと根本的に大切なこと。決して無視できない、嬉しいこと。 美優さんはいま、莉嘉のために泣いてくれてるんだ。アタシの妹が死んじゃったことに悲しんでくれてるんだ。 アタシと一緒だ。美優さん、アタシと一緒なんだよ。わかりなよ美嘉。アンタがわからなくてどうすんのよ。 アンタ、莉嘉のお姉ちゃんなんでしょ。だったら……だったらさ。子供みたいな泣きわめくより先に、やることがあるでしょ。 「美優さん……アタシ、アタシは――――あっ、うあっ、ああ…………あぁ~…………」 でもやっぱり、駄目だった。物に当たりたい衝動は収まったけど、泣きたい衝動はまだまだ元気で、アタシは抗うことができなかった。 そのまま、アタシと美優さんは泣いた。道の真ん中でわんわん泣いた。どっちの声が大きいか、張り合うくらいお互い自重しなかった。 映画なんかだと、家族が死んで悲しんでるシーンってさらりと飛ばされたりするけどさ。アタシ当事者だし、現実はそうもいかないよね。 ごめん。 ごめんね、莉嘉。 守ってあげられなくてごめん。 だめなお姉ちゃんでごめん。 もう、なにもしてあげられないけど。 許してなんて言うつもりもないけど。 聞いてくれなくてもいいけど。 だけど言わせて。 ごめんね。 本当に、ごめんなさい―― ◇ ◇ ◇ 悲しさは癒えないけれど、このまま外で泣いているのは危ないから。近くの家を拝借して、私と美嘉ちゃんはそこで休むことにした。 美嘉ちゃんは誰もいないリビングのソファに寝転がり、しばらくしてから眠りについた。その目元は涙でぐしょぐしょだった。 私も泣き疲れちゃったけど、いまは眠ることはできない。だって、私はお姉ちゃんだから。美嘉ちゃんよりも、年上だから。 「美嘉ちゃん……ありがとう」 感謝の気持ちは、愛梨ちゃんに襲われたとき、自棄になっていた私を立たせてくれた美嘉ちゃんに向けて。 美嘉ちゃんがいてくれなかったら、いまの私はない。だからせめて、美嘉ちゃんに恩返しがしたいと思った。 彼女の妹の莉嘉ちゃんは死んでしまった。それは私にはどうにもできない。でも、悲しんでばかりはいられないもの。 「莉嘉ちゃん……雪美ちゃん……」 放送で呼ばれた十五人の死亡者。その中で私が交友を持っていたのは、城ヶ崎莉嘉ちゃんと佐城雪美ちゃんの二人だった。 雪美ちゃんは小さな女の子だ。年長者の私は若い彼女と事務所で一緒に留守番を任されることもあって、そこから仲良くなった。 あとから、同じプロデューサーさんが私たちのプロデュースを担当することが決まって。そしたらさらに仲良くなった。 仕事やレッスンがない日は、莉嘉ちゃんも交えて一緒に遊んだりしてたのに……それなのに、幼い二人が死んでしまうだなんて。 思い出を噛み締めると、また涙が零れ落ちそうになる。駄目。駄目よ私。私はお姉ちゃんなんだから。泣いてちゃ駄目。 そう、お姉ちゃん。年上の私は、美嘉ちゃんのお姉ちゃんになろうと思う。それがここでの私の役目だと、私がいま、そう決めた。 「『生きて』――生きるわ。絶対に生き抜いてみせる。だから美嘉ちゃんも一緒に生きましょう」 眠りにつく美嘉ちゃんの頭を、優しく撫でる。髪を下ろしメイクの剥がれた彼女は、カリスマギャルなんかじゃない。 ただの女の子。私よりも歳の低い、私が守らなくちゃいけない――本当に、ただの女の子なんだ。 私は、美嘉ちゃんに『生きて』って言われてすごく嬉しかったから。もう死のうだなんて思わない。 生きるなら、美嘉ちゃんの隣で。美嘉ちゃんが私と同じ道を歩みそうになったら、今度は私が『生きて』って。 「プロデューサーさん。私、この子と一緒に生きたいです。あなたにはご迷惑をかけてしまうかもしれません。でも……どうか、許してください」 囚われ、命の危機に貧しているプロデューサーさん。私に彼を救い出す力はない。 運営に逆らい、殺し合いを拒む私への制裁として、それでプロデューサーさんが殺されてしまうかもしれない。 けれどやっぱり、私にはできない。私には愛梨ちゃんのような道を選択することはできない。でも。 身勝手な女の身勝手な妄想かもしれないけれど、プロデューサーさんなら『それでいいんだよ』と言ってくれるだろうから。 「私たちは、少し疲れすぎたのよ。いまはせめて、ゆっくり休もう……美嘉ちゃん」 奥の寝室へ行き、押入れから毛布を持ってきて、美嘉ちゃんの身体にかけてあげる。 私は、まだ眠ることはできない。彼女のためにも、やらなきゃいけないことがあるから。 リビングの窓に鍵がかかっていること、閉め切ったカーテンに外から見えるような隙間がないことを、よく確認する。 音を立てないようゆっくりと玄関のドアを開き、私は身一つで外に出た。 朝の陽光が涙で腫れた目に突き刺さる。眩しい。朝が来たんだ。アイドルとしてのお仕事が始まる朝じゃない。殺し合いの朝が。 「……よしっ。今日もがんばろう」 私は、生きると決めた。美嘉ちゃんのために……なんて言ったら叱られちゃうから、誰よりもまずは、自分のために。 生きると決めたからには、しっかりしなくちゃいけない。なにをしっかりするのかといえば、ライフラインとなる荷物の管理だ。 さっき、美嘉ちゃんが泣き崩れたとき彼女が投げつけてきた荷物。実はあれを道端に放置したままだったのだ。 あのときはとりあえず落ち着ける場所に行こうと必死だったから、荷物を拾っている余裕なんてなかった。 美嘉ちゃんのバッグには銃と発煙手榴弾が入っている。あれはこれからを生き抜くためには絶対に必要なものだ。 それに……美嘉ちゃんのつけていたリボンも。アイドルがトレードマークを失ってしまうのはNGよね。 「うふふっ」 自然と笑みが零れてしまう。だって莉嘉ちゃんにいつも自慢されていたもの。お姉ちゃんがどれだけ可愛いかってこと。 実際に話してみた美嘉ちゃんは可愛いだけじゃなくて、格好良くて……本当に、アイドルとして劣等感を覚えてしまうくらい輝いていた。 そんな美嘉ちゃんが手を差し伸べてくれたからこそ、私は立ち上がることができたのよね。うん。 さあ。見慣れない街で物を探すのは大変だけれど、移動はそんなにしていないし、バッグが落ちている場所も近くだったと思う。 風に飛ばされたりしてなければいいけれど。それにしても気持ちのいい朝だ。状況が状況じゃなければ、まったりお散歩したいな。 ぬっ。 私は、ビクッとした。ぽかぽかした気分で道を歩いていたら、道の曲がり角から急に人が飛び出してきたのだ。 ちらりと目に映ったその顔には、見覚えがある。三村かな子ちゃんだ。莉嘉ちゃんや雪美ちゃんと一緒に、スイーツの話で盛り上がったことがある。 でもなんだろう。目の前のかな子ちゃんは、私の知っているかな子ちゃんとは違う気がした。 普段は可愛いのに、いまは顔が怖い。それに、その手には海賊の持つ刀のようなものが握られていて、刀身には染みのようなものが―― えっ。 ずぶりという音が聞こえた。曲がり角から飛び出してきたかな子ちゃんはそのまま私に肉薄して、私を刺してきた。 ナイフなんてちっぽけなものじゃない。大きく無骨な、本物の刀で。お腹の少し上、胸の、心臓のあたりを、ずぶりと。 あっ……喉の奥から血が昇ってくる。じんわりとした暖かさがおなかを、そして脳の中を駆け巡っていく。 そっかぁ。 私……死んじゃうんだ。 悟った次の瞬間、身体はばたりと倒れた。 本当の即死っていうものは、走馬灯を見る暇もないのね。 「ごめんなさい。あなたのアイドル、いただきます」 死に逝く私には、かな子ちゃんの言葉の意味はわからなかった。 ◇ ◇ ◇ 「ごめんなさい。あなたのアイドル、いただきました」 三船さん――三船美優さんから奪った“アイドル”は、どこか安らかな表情をしているように思えました。 おかしいです。私が目の前に現れたときは、驚いた顔を浮かべたのに。それに、刺したときは痛そうな顔も。 なんで、どこで表情が変わったんだろう……ひょっとして、死にたかったの? 死ねたから、最期にこんな表情をしたの? 私は少し不気味に思い、三船さんから奪った“アイドル”をくちゃくちゃに丸めて排水口の溝に捨てました。 「これで二人……ううん。十六人」 六時の放送を思い出します。夜の間に私が殺せたアイドルは一人。それでも、全体では十五人ものアイドルが死んでいました。 私の他にも意欲的に殺して回っている人がいる。それはひょっとしたら、私や大槻さんみたいに目をかけられた人かもしれない。 案外、その人数は多いのかもしれません。でもだからって、私がアイドルを殺さない理由にはならない。 三船さんを見つけたのは偶然でした。本当に偶然、街を散策していたら暢気に歩いている三船をさんを発見したんです。 第一印象で、この人は殺し合いをしていないアイドルだって直感しました。そしてそれは正解だったようです。 だって三船さんはなにも武器を持っていません。殺し合いをする意思を持っている人が武器も持たずに街を徘徊するだなんて幻想です。 たぶん……三船さんは気が狂っていたんだと思います。気が狂っていたからこそ、怯えもせずにあんな顔で最期を迎えたんです。 こんな状況下ですから、一人くらいそういう人がいたっておかしくありません。いえ、きっともう何人かいるはずです。 私だって、トレーニングを受けていなかったらどうなっていたことか……仮定の話をするのはやめよう。現実を生きなきゃ。 「あれ。でも三船さん……武器どころか、なにも持っていない……?」 三船さんは手ぶらでした。本来なら肩に下げているべきデイパックも見当たりません。紛失したのでしょうか? もしくは……この近くに拠点としている場所があり、荷物は一旦そこに置いてあるのかもしれません。 住宅地ですし、さっきまで夜でしたから。この島に放り込まれてからの六時間、ずっとそうして隠れていたのかもしれません。 そして夜が明けて、朝の日差しがあまりにも気持ちよかったから、状況を忘れたお散歩……ありえなくはないです。 だとしたら、彼女の支給品も手付かずかも。おそらくはあたりの民家に――時間を割く価値は、あるかもしれません。 「探してみよう」 放送前に病院で医療品を調達することはできましたが、武器は大いに越したことはありません。 手持ちの銃器には弾薬という制限がありますし、ストロベリー・ボムも使いづらいところがあります。 三船さんみたいに、無抵抗な人の隙をつけるのであれば、カットラスの一本でも充分なのですが。 背中のデイパックから感じるずしりとした重み。三船さんじゃありませんが、私もそろそろ拠点を用意したいです。 訓練を積んだとはいえ、荷物が重たいと動きが鈍くなりますから。あとで、どこか倉庫代わりになりそうな場所を探さないと。 できればふかふかのベッドがあるといいな……なんて。ううん。休むのはもっと先。体力が尽きてから。 「おなかも空いたなあ……」 ぽつりと、本音が零れてしまいました。 あと一人くらい殺したら、朝ごはんにしましょう。 できればおいしいお菓子がいいなっ、なんて。 【G-3 住宅地/一日目 朝】 【三村かな子】 【装備:US M16A2(27/30)、カーアームズK9(7/7)】 【所持品:基本支給品一式(+情報端末に主催からの送信あり、ストロベリー・ソナー入り)、医療品セット M16A2の予備マガジンx4、カーアームズK7の予備マガジンx2、カットラス、ストロベリー・ボムx11】 【状態:健康】 【思考・行動】 基本方針:アイドルを全員殺してプロデューサーを助ける。アイドルは出来る限り“顔”まで殺す。 1:三船美優が拠点にしていた可能性があるため、周辺の民家を漁り彼女の荷物と支給品を探し出す。 2:後々のため、武器などを保管でき自身も身を休めることのできる拠点を用意したい。 【医療品セット@現地調達】 三村かな子が病院内で調達した医療用品のセット。詳細は不明。 【G-3 民家/一日目 朝】 【城ヶ崎美嘉】 【装備:なし】 【所持品:なし】 【状態:肩と両手に軽傷】 【思考・行動】 基本方針:殺されたくはないが、殺したくない。 1:莉嘉……。 ※リボンがなく髪を下ろしている状態です。 ※三船美優の所持品(基本支給品一式、不明支給品(0~1)は城ヶ崎美嘉がいる民家のリビングに放置されています。 ※城ヶ崎美嘉の所持品(基本支給品一式、コルトSAA"ピースメーカー"(0/6)、M18発煙手榴弾(赤×1、黄×1、緑×1)、.45LC弾×30)と 彼女のリボンはG-3住宅地の往来に放置されています。 【三船美優 死亡】 前:いねむりブランシュネージュ! 投下順に読む 次:wholeheartedly 前:Joker to love/The mad murderer 時系列順に読む 次:wholeheartedly 前:一人じゃない、星にウィンク 三村かな子 次:彼女たちは悪夢の中のトゥエルブモンキーズ 前:今を生きること 城ヶ崎美嘉 三船美優 死亡 三船美優補完エピソード:粉雪 ▲上へ戻る
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256 軽音部員♪ [sage] こんにちは、平沢憂です。今日は遂にお姉ちゃんの結婚式。来て欲しかった待望の日ですが、お姉ちゃんが巣立っていくことを考えると来て欲しくなかったような気もしてやや複雑です。 結婚式が始まるまでまだ時間があるので用意をしているお姉ちゃんと少しお話しをする事にしました。 「お姉ちゃん入るよ…。」ドアをノックして入るとウェディング姿のお姉ちゃん。 ウェディング姿のお姉ちゃんはドレスを選ぶときに何度か見ましたが今日見るとやはり違います。なんていうかとても綺麗です。 「あ…憂。準備はいいの?」 「うん…。だいたい終わったし、こっちのは直ぐだから。」 「さすが憂ですな。そういやみんな来てた?」 「うん。お母さんも和ちゃんも、軽音部のみんなも。」 「そりゃ良かった。…そういやお父さんは?」 「…来ないと思ってたけど観念して来たみたい。記帳してたし。」 「お父さん始めは大反対してたのにやっぱり娘の晴れの日となると来てくれるんだね。」 「なんだかんだでお父さん娘が大好きだもんね。」 2010/12/10(金) 07 47 14 ID 3xHsId9A0 [1/5] 257 軽音部員♪ [sage] 「う~、みんないるとなると緊張してきた。学園祭でも緊張しなかったのに…。」 「大丈夫。学園祭やりきったお姉ちゃんなら大丈夫だよ。」 「憂にそう言って貰うと安心するよー。」ギュッ 緊張すると言いながらお姉ちゃんはやっぱり平常運転のようです。 「そういえば学園祭の時に歌った曲覚えてる?」 「勿論。忘れる訳ないよ。ごはんはおかずでしょ?あれは衝撃だった。」 「そっちじゃなくて…。」 「大丈夫だよちゃんと覚えてるよ、U Iは。あの後何度も歌ってもらったし。」 「今でもたまに歌うしね♪…よく考えたら私、凄いことしたよね。妹への曲を最後の文化祭で歌うんだもん…。」 「しばらくはクラスメートにからかわれたりして大変だったんだから。」 「でもいい曲だったでしょ?」 「うん。すごい嬉しかった。私お姉ちゃんになにもしてあげられなかったのにこんなにも想われてるんだって思って。」 「ううん、憂からはいっぱいしてもらったしいっぱい貰ったんだよ。憂がいてくれたから私の今があるんだし…。」 「私がお姉ちゃんに貰ってばっかだったよ。」 「憂!!」 「お姉ちゃん!!」 「私達いい姉妹だったよね?」 「うん、最高の姉妹だよ!!」 と、ハグをしたところで抑えきれず涙が溢れてお互いひどい顔に…。そっくりの姉妹と言われてたけどこんなところもそっくりです。 お姉ちゃんとはいつまでもそのままでいたかったのですが、新婦さんを涙で汚れた顔のまま結婚式に出すわけにもいかないので退出する事にしました。式の開始まで30分ぐらい。自分の方の準備にもちょうどいい時間です。 さっきあんな事があったせいか待合室に向かう僅かな時間に今までにあったお姉ちゃんとの記憶が思い出されます。ザリガニにクリスマスに学園祭、お正月に毎年の誕生日に…。お姉ちゃんと過ごした毎日がどれも素晴らしい日として思い出されます。難しい事はもう考えられません。お姉ちゃんと過ごす日々はやっぱり最高でした。 2010/12/10(金) 07 49 18 ID 3xHsId9A0 [2/5] 258 軽音部員♪ [sage] 30分の間にメイクを整え、何より気持ちを落ち着かせます。やっぱり私も緊張します。なにも考えられず目の前がぐるぐるして、お茶を多めに飲んでしまったり部屋の中を歩き回ったり…。 そうこうしてるうちに式の開始です。お姉ちゃんと入場する為に待合室から舞台の袖へ。 本当は夫の方が先に行ったりなんだりするそうですが、お姉ちゃんたっての希望で二人の入場は同時です。ヴァージンロードを歩くお姉ちゃん。本当に綺麗です。 歩みを終えて神父さんの下に。二人ともキリスト教徒でもないのに何でなんでしょうね。結婚式は神に愛を誓うわけだから別に神父さんでなくてもお坊さんでもいいはずです。 「憂?憂?」 緊張のあまりどうでもいいことを考えてしまってたようです。上の空だったようでお姉ちゃんが少し心配していました。宣誓はもう始まっていました。お姉ちゃんの分はもう済んだみたいです。 神父さんが続きの言葉を述べていきます。 2010/12/10(金) 07 51 57 ID 3xHsId9A0 [3/5] 259 軽音部員♪ [sage] 「…平沢憂は平沢唯と結婚し永遠の愛を育む事を誓いますか?」 「…誓います!!」 さっき上の空だったぶん力を込めて…ちょっぴり力強かったみたいです。 「…では誓いのキスを…。」 お姉ちゃんとキスをして…あとの事はもう緊張しすぎて覚えていません。 おしまい 2010/12/10(金) 07 59 45 ID 3xHsId9A0 [4/5] 感想をどうぞ 名前 コメント すべてのコメントを見る ムギに任せたら子供もなんなく産まれそう な気がする -- (名無しさん) 2011-04-30 08 07 20 行きたかったな この結婚式 -- (名無しさん) 2011-01-29 17 56 24 よっしゃ! …俺はとガッツポーズをした -- (名無しさん) 2011-01-22 01 10 44 解りやすく言うなら「姉妹」という関係が消滅してその代わりに「夫婦」という関係になったということでしょうかね? -- (トリプティク) 2010-12-12 02 45 21 まさかの予想斜め上だったとは・・・ いや、うれしい誤算だよ!! -- (唯憂は素晴らしいとは思わんかね?) 2010-12-11 21 15 59
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失踪(真相) 唯「あうーおうねおうねー!(^q^)」 憂「お姉ちゃん、危ない!お船から落ちちゃうよ!」 律「そうだぞ、海に落ちたら大変だぞ。」 澪「唯は水溜りでも溺れるからな。」 唯「りった、みおた!ゆい、おっきいぷーるはいる!(^q^)」 律「唯、ここはプールじゃないんだぞ。海っていうんだ。」 唯「うーみ?(゚q゚)」 澪「そうだ、海だ。」 憂「海のお水はしょっぱいんだよー。」 唯「あうーゆい、うーみのおみずのみたい!(^q^)」 憂「ダーメ!お腹壊しちゃうよ!」 唯「う゛-ゆい、うーみのおみずのむ!ゆい、ぽんぽんこわたない!(`q´)」 律「ははは。島に着いたら海水浴でもしたらいいさ。」 澪「嫌でも海水を飲むだろうからな。」 唯「あうっかーすーよくつる!はやくかーすーよくちたい!(^q^)」 紬「もう少しで着くから我慢してね。」 律「あとどれくらいだ?」 紬「10分ぐらいかしら。皆、部屋に戻って降りる準備をしてくれる?」 律「そうだな。唯の豚さんやアヒルさんを片付けないとな。」 憂「すいません。お姉ちゃん、お友達の所に行こう!」 唯「あう!ゆい、ぶーぶーとがーがとあそぶ!(^q^)」 憂「では、先に戻ってますね。」タタタ 唯「りった、みおた、むぎたばばーい(^q^)ノシ」ドスドスドス 律「ふぅ。ムギ、悪いな。また、別荘を借りることになって。」 紬「いいのよ。空いてるんだから使わないともったいないわ。」 澪「今年はちゃーんと練習するからな!」 律「えーっ!?」 澪「えーじゃない!今年の文化祭は失敗するわけにはいかないんだぞ!」 紬「私達は今年で最後だもんね。」 澪「そうそう。後輩が入ってこないと梓は一人ぼっちになるからな。」 律「わかってるよ!でも、息抜きも必要だぜ!その為に今年も海にしたんだから!」 澪「海か・・・。」 紬「澪ちゃんも楽しそうに遊んでたじゃない!」 律「そうだそうだ!海だけじゃなくて怖そうな洞窟もあるから退屈しないな!」 澪「ひいっ!」 紬「澪ちゃん怖がらないで。前も言ったけど澪ちゃんは・・・ね?」 律「澪は怖がらなくていいから。私達が何とかするって。」 澪「律・・・ムギ・・・・・・ゴメン。」 紬「さっ、私達も部屋に戻りましょう!梓ちゃんとさわちゃんが待ってるわ!」 ガチャ 唯「ふがー!ゆい、ぶぶぶーちた!あずなん、ゆいのおむつかえるー!(`q´)」 梓「止めてください!ちょっ、おむつ振り回さないで!」 憂「お姉ちゃん、オムツは私がかえてあげるから!」 唯「やー!ゆい、あずなんがいい!うーいじゃない!(`q´)」 さわ子「憂ちゃん、早く唯ちゃんを止めて!ウンチが飛び散ってる!」 憂「お姉ちゃん、ワガママ言うとお仕置きするからね!」 唯「むぎゃー!あずなん、おむつー!(`q´)」 パーンパーン! 唯「びええええん!うーいぶったー!ゆい、おりこーなのにー!(#"q"#)」 憂「これ以上ワガママ言うともっとぶつからね!わかった!?」 唯「あう!ゆい、わがままいわない!うーい、ぶたない!(#"q"#)」 憂「じゃあ、オムツかえるからそこに寝なさい!」 唯「あう~ゆいほっぺいちゃい(#TqT#)」 律「おいおい、何の騒ぎだ?」 さ「唯ちゃんがお漏らししてね。どうしても梓ちゃんにオムツをかえてほしいって駄々こねてたの。」 澪「梓は唯に好かれてるからなー。」 梓「良い迷惑ですよ。」 憂「梓ちゃん、ゴメンね。お姉ちゃんは重度の知的障害だから許して。皆さんもごめんなさい。」 梓「(『知的障害だから知的障害だから』もう聞き飽きた!)・・・別にいいよ。」 紬「梓ちゃんもさわちゃんも降りる準備をしてもらっていいかしら?もうすぐ着くから。」 さ「あら?意外と早かったわね。」 梓「早くこの臭い部屋から出たいです。」 唯「あ゛-!うーい、はやくおむつする!(`q´)」 憂「もうすぐだよ。・・・よし、終わり!」 澪「なぁムギ、予定よりも1人増えたけど大丈夫なのか?」 紬「大丈夫よ。食べ物も十分あるし。」 憂「皆さん、無理言ってついてきてごめんなさい。軽音部の合宿とはわかっていますが、お姉ちゃんが悪さしないように見ていないといけないので。」 梓「(自分が唯先輩と離れたくないだけでしょ。)」 唯「あう~ゆいのうきわ~♪ぶたさんのうきわ~♪(^q^)」 紬「いいのよ、憂ちゃん。人数は多いほうが楽しいわ。」 律「それにしても急について来るってのは何かあったのか?今朝、憂ちゃんも一緒に行くって聞いた時はビックリしたよ。」 憂「いえ、特にこれと言って理由はないです。ただ、3泊もするので皆さんにお姉ちゃんのお世話をして頂くのは申し訳なくて。」 澪「(直前だと断ることも出来ないからな。)」 さ「そんなことなら気にしなくていいのに!もう唯ちゃんのお世話は私達、慣れっ子よ!」 律「そうそう!2年以上一緒にいるからオムツ交換もお手の物だぜ!」 コンコン ガチャ 斉藤「お嬢様、到着しました。」 紬「皆、着いたから降りましょうか。」 憂「お姉ちゃん、着いたんだって!行こっか!」タタッ 唯「あう!ゆい、おーぐでつ!(^q^)」ドスドスドス さ「・・・。大丈夫かしらね。」 律「何とかなるさ。」 澪「だといいけど。」 梓「それよりも早く出ましょう。臭くて堪りません。」 紬「そうね。」 斉藤「それでは3日後に迎えに来ます。何かあれば、ご連絡を。すぐに駆けつけます。」 紬「ええ、ありがとう。」 唯「あ゛-おっきいおうちでつー( q )」 憂「うちよりも大きいねー。」 律「でっけー。」 澪「さすがにこれよりも大きい別荘はないよな?」 紬「これでも小さいほうよ?」 梓「これで!?うちの3倍以上はありますよ。」 さ「ねぇ~中に入りましょーよー。暑くて死にそう・・・。」 紬「今、鍵を開けますね。」 唯「むぎた、はやくあける!おしおきでつよ!(^q^)/」ベシベシ 紬「きゃっ!唯ちゃん、止めて!」 憂「お姉ちゃん、ダメでしょ!」 唯「むふぅ~ゆい、おうちはいるの!むぎた、わるいこでつ!(`q´)」バシバシ 律「おい、止めろ!」 梓「ちょっと唯先輩!」 憂「止めないとお仕置きだよ!」 唯「キャキャキャ♪ゆい、むぎたにおしおきでつ~♪(^q^)/」ベッシベッシ 澪「唯、止めろ!」グイッ 唯「あうっ!( q )」ベチャ 憂「あっ!」 唯「うわああああん!おくびいちゃいよー!みおた、ゆいいいじめたー!("q")」 澪「唯がムギを叩くからだろ!唯が悪いんだぞ!」 憂「何するんですか!?ケガでもしたら責任とってくれるんですか!?」 澪「ムギを守っただけだよ。ただ後ろに引っ張っただけじゃないか。唯のバランス感覚が悪すぎるんだ。」 憂「お姉ちゃんは障害者なんですよ!ちょっとした事でも致命傷になりかねないんです!」 梓「(まーた始まった・・・。)」 紬「憂ちゃん、落ち着いて・・・。」 律「澪もだぞ。せっかく合宿に来たんだし、楽しまないと。」 澪「律・・・。わかったよ。唯、憂ちゃん、ごめん。」 憂「・・・お姉ちゃん、秋山さんが謝ってくれたけど、どうする?」 唯「やー!ゆい、ゆるたない!みおた、ゆいいじめた!("q")」 梓「唯先輩も悪いですよ。ムギ先輩を叩くから。澪先輩が謝ってくれたからいいじゃないですか。」 唯「あいすくれないとゆるたない!あずなんうるちゃい!(`q´)」 梓「(こいつ・・・!)」 憂「と、言っていますけど秋山さん、どうします?私はいいけど、お姉ちゃんが許さないと言ってますし。」 澪「どうしろって言うんだ?ここにはアイスはない。私は謝ったからこれで文句はないはずだが。」 憂「誠意がないからじゃないですか?お姉ちゃんにあなたの謝罪が届いてないんですよ。」 澪「なんだと?唯に伝わらなかったのは唯が人の気持ちがわからないからじゃないのか?」 憂「お姉ちゃんに心がないって言いたいんですか!?」 澪「そこまでは言ってないけどな。憂ちゃんがそう思ってるのか?」 唯「みおた、ゆいにあいすよこす!ゆい、あいすたべる!(`q´)」 憂「言わせておけば。大体、あなたが」 さ「いい加減にしなさい!」 憂「!!」 さ「ここまで来て喧嘩する気!?」 憂「でも、秋山さんが・・・。」 さ「今のは明らかに唯ちゃんが悪いわ。澪ちゃんもやり過ぎだけどね。」 澪「はい・・・。」 憂「姉が悪いのはわかりますが、それを暴力で解決するのはどうかと思います。」 唯「もきぃー!ゆい、おくびいちゃい!うーい、ゆいおくびぐいっなた!(`q´)」 さ「言っても聞かない子には体でわからせる必要もあるわよ。それに暴力を始めたのは唯ちゃんでしょ?」 憂「それは・・・。」 さ「それで唯ちゃんはムギちゃんに謝ったかしら?澪ちゃんには謝らせといて、それはないんじゃない?」 紬「先生、私は大丈夫ですから・・・。」 澪「いや、こういうのはきちんとしておかないといけない。」 憂「っ!」キッ 律「憂ちゃん、澪はちゃんと謝ったしムギも怒ってないんだ。唯が謝ればそれで終わりだよ。」 梓「そうだよ、憂。別に唯先輩だけが悪者じゃないじゃん。澪先輩も自分が悪いって認めてるんだし。」 憂「・・・。わかりました。」 さ「わかってくれて良かった!それじゃあ、唯ちゃん。ムギちゃんにごめんなさいしましょうね。」 唯「やれす!ゆい、わるくない!さわちゃ、だまる!(`q´)」 さ「謝らないと夜ご飯とアイスは無しにするわよ?」 唯「あうっまんまとあいすだめ!ゆい、たべる!("q")」 さ「それじゃあムギちゃんに謝りなさい。」 唯「あう~むぎた、ごめんなたい( q )」 紬「いいわよ唯ちゃん。」 律「よし、これでお終い!さっ、中に入ろうぜ!」 紬「どうぞ~♪」ギィー 梓「早く中に入らないと日焼けてしまいます!」タタッ さ「あっ梓ちゃんずるい!私も入るー!」ダッ 澪「律、行くぞ。」テクテク 律「あいよー。」タッタッタッ 唯「あう~うーい、ゆいわるいこ?ゆい、むぎたいじめた?(TqT)」 憂「ううん、お姉ちゃんは良い子だよ。何も悪くないわよ。」 唯「えぐっ・・・みおた、ゆいぶった・・・うぐっ・・・ゆい、いちゃいれす(TqT)」 憂「よしよし。お姉ちゃんには私がついてるからね。心配しないで。」 唯「あう~あう~う~い~(TqT)」 憂「お姉ちゃん・・・。」 紬「あっ唯ちゃんと憂ちゃん!」 憂「皆さんは?」 紬「皆、部屋に行ったわ。去年は大広間に雑魚寝だったけど、今年は個室なのよ。」 憂「そうですか。(去年、お姉ちゃんが梓ちゃんの顔に寝グソしたからね。)」 紬「これが部屋の鍵よ。憂ちゃんの部屋は用意していなかったから唯ちゃんと一緒だけどいい?」 憂「はい。こちらも急でしたから。」 唯「むぎた、そえちょーらい!おもちゃおもちゃ!(^q^)」 紬「これはおもちゃじゃないのよ~。鍵っていうの。これを無くしたら、お部屋に入れないからね。」 唯「あーう?かぎ?(゚q゚)」 憂「これがなかったらねんね出来ないのよ。」 唯「あう、ねんねつる!ゆい、ねんねない、やだ!( q )」 紬「じゃあ、これは憂ちゃんに預けておくわね。」 憂「わかりました。」 紬「それとトイレは各部屋と玄関を入ってすぐ横にもあるわ。」 唯「うーい、かぎたんでつよ!なくすめっでつよ!(^q^)」 憂「ちゃんと持っておくから大丈夫よ♪」 紬「荷物を置いたら、この先の食堂に来てもらえる?もうお昼だからね。」 憂「お姉ちゃん、私達のお部屋に行くよ!」 唯「わーいわーい、ゆいのおへやー(^q^)/」 紬「鍵についている数字が憂ちゃんたちの部屋だから!」 憂「えーっと、私達の部屋は3番ね。」 唯「さんばん?( q )」 憂「3番よ。お姉ちゃん、1、2の次は何かな?」 唯「んーっとー・・・・いーっち・・・にいーっ・・・・あ゛-( q )」 憂「いーち、にー、その次よ。」 唯「ん゛あ゛―――あうっ!さん!さんでつ!(^q^)」 憂「当たり!お姉ちゃん、天才だね~♪」 唯「あう~ゆい、てんたいてんたい♪(^q^)」 憂「ふふふ♪あっ、ここだ!お姉ちゃん、ここが私達の部屋だよ。」 唯「ゆい、おへやはいるー!(^q^)/」ドスドス 憂「あっ、お姉ちゃん!まだ鍵かかってるよ!」 唯「あぐっ!("q")」ドカッ 憂「もう、また頭から突進して!」 唯「あいやあああああ!ゆい、おつむうったー!いちゃいよー!("q")」 憂「ほらっ!中に入るわよ!」ガチャ 唯「うーい、ゆいいちゃいー!おつむー!ビーーーーーー!("q")」 憂「はぁ・・・。痛いの痛いの飛んでいけ~♪これで痛いのなくなったわよ!」 唯「あう!ゆい、おつむいちゃくない!ゆい、おつむなおた!(^q^)」 憂「はいはい。入るわよー。」 唯「あう、うーいまってー("q")」 バタン (失踪・真相 その2)へ続く (失踪)へ戻る 池沼唯SS一覧へ戻る カウンター 今日 - 昨日 -
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お姉ちゃん先生 354 名前: 名無したちの午後 投稿日: 03/06/11 21 15 ID 36mDJoOd お姉ちゃん先生の方はショタ主人公責められシチュに抵抗がないなら良作だと思います 手コキ音ありでこれがかなりリアルで使えます しかし…みんな期待していたであろう雑誌掲載の足コキCGはどうかというとお姉ちゃんが途中で帰ってきてしまい寸止めです… 関連レス
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268 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2010/02/09(火) 21 53 58 ID 2IEigUIvO こんばんは、平沢憂です!今日は久しぶりにお姉ちゃんとお風呂です! …ですが恥ずかしくて、お姉ちゃんの体を直視できません…み、見たくないわけでは決してないんですが! 「憂、髪洗ってあげるね♪」 「う…うん」 「…やっぱり一緒に入るの嫌だった?さっきからあんまりしゃべんないねぇ」 「そ、そうじゃないの!ただ、その…恥ずかしくて。裸見たり、見られたりするの…」 「あはは、そっかー…私もちょっぴり恥ずかしいけど、憂と一緒に入れるのが嬉しいから気にならないよ?」 「お姉ちゃん…」 「ほれ、パパイヤ憂!」 シャンプーの泡でアフロみたいになった私の頭。それを見て、思わず吹き出してしまいます。 「ぷっ…もうお姉ちゃん、シャンプー付けすぎだよ?」 「えへへー、ついー♪そだ、じゃあ憂に分けてもらおーっと♪」 「ちゃんと新しいの使って平気だよ?今度は私が洗ってあげるから♪」 「わーい♪あ、そういえば憂、普通に私の体見てるね」 「えっ………///」 「ありゃ、また下向いちゃった…そんな恥ずかしがらなくていいのにー。私、おっぱいちっちゃいし……」 …ごめんお姉ちゃん、やっぱり私には、お姉ちゃんの裸は刺激が強すぎます…… 269 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2010/02/09(火) 21 54 45 ID 2IEigUIvO 「うーい♪今度は背中流してあげるっ」 「あ、ありがと…」 「ありゃ?スポンジ新しいの買ってあったの忘れちゃった…」 「あ、じゃあ取って…」 「いいよいいよ、風邪ひいちゃう!待ってて、いい方法があるから…」 「え…?」 お姉ちゃんは何を思ったのか、体を泡だらけにし始めました。そして… 「えいっ」 「ひゃぁっ…!?」 私の背中に抱きつきました。すべすべむにゅむにゅな柔らかい感触に、私の頭は沸騰寸前になります… 「な、ななななななにをすっ、すすすす…」 「背中流してあげるって言ったでしょ?スポンジないからこうして洗ってあげるよ♪」 「てて、手で洗えばいいんじゃないのかなぁっ!?」 「この方が早く洗えるんだよ!しかも私の体も洗えて一石二鳥!じゃあ洗うね?」 「そ、それはさすがに…ちょっ…」 お姉ちゃんは私の背中に体を擦り合わせました。 密着した二つの柔らかい膨らみがその形を歪ませるたび、私の心拍数は増していきます。 「えへへ、すべすべで気持ちいいー♪憂はどう?気持ちいい?」 「う…うぅ……うん……」 「あ、こっちも洗ってあげる!」 「え…」 お姉ちゃんは私の胸を手のひらで包みました。次の瞬間、私は―― 270 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2010/02/09(火) 22 00 20 ID 2IEigUIvO 2分後、私はお姉ちゃんの背中を洗っていました。…もちろん手で。 「ごめんね憂、さすがにいきなり掴んだらびっくりするよね…あんな悲鳴上げるとは思わなかったよ」 「う、ううん!いいの気にしてないから…」 「そう?ならいいけど…そういえば憂、さっき寒かったの?」 「え?な、なんで?」 「だってさっき憂の胸触った時、なんか硬くなっ…」 「なってないよお姉ちゃん!」 「え、ホント?」 「ほ、ホン…きゃっ?」 必死になっていた私は手が滑り体勢を崩して…お姉ちゃんの背中に覆い被さってしまいました。 「ご、ごごごめんねお姉ちゃん、私…」 「大丈夫だよー♪すべすべで気持ちいいしー♪」 「お、お姉…ちゃん…」 ぴったり密着した背中から伝わってくるお姉ちゃんの熱が、私の心臓の鼓動を再び速めていきます。 あ、なんか…お姉ちゃんの背中、気持ちいい… 「ん…?ほらぁ、やっぱり硬いのが当たって…」 「な…なってないよぉ!!」 終わり 俺は悪くないんです 皆の妄想をまとめたらこうなっただけなんです 280 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2010/02/10(水) 00 00 00 ID 2IEigUIvO 後日談… 律「…でさー、弟からかって一緒に風呂入るかって言ったら照れてんだぜ?面白いってなんの!」 澪「あんまりからかっちゃかわいそうだぞ?なぁ唯」 唯「そうだよりっちゃん、かわいそうだよ!」 律「唯は憂ちゃんと仲良しだからなぁ…最後に一緒に風呂入ったのいつだ?」 唯「え?昨日だよ?」 律澪梓「え……」 紬「唯ちゃん、今の話詳しく聞かせて!い、一体何があったの!?」 唯「髪洗ってあげたり背中流しっこしたり…別に変わったことなかったけど」 紬「で、でも体に何かしらの変化はあったんじゃないかしら!?例えば、ぬ…」 律「お、落ち着けムギ!何もないよな唯?ただ仲良く風呂入っただけだよな!」 唯「あ、そういえば…憂の胸を触ったり、背中に押し付けられたりしたんだけどね?」 律澪梓「なっ…」 紬「はぁはぁ……」 唯「その時にね、なんか硬い感触がしたんだ。変だよねー」 紬「ゆ、唯ちゃん、一体何が硬くなってたのかしら?」 唯「ち…」 梓「あー!あー!早く練習始めましょう!」 澪「そ、そうだな!」 律「今日は頑張るぞ!」 唯「うん…なんで皆顔真っ赤なの?」 紬「うふふ、憂ちゃんったら…今度ゆっくりお話聞かなくっちゃ♪」
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845 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2009/12/04(金) 14 21 35 ID YaTUeU+I 憂「ねぇ、お姉ちゃん」 唯「んー?」 憂「この間、梓ちゃんと二人きりでお出かけしたんだって?」 唯「したよー。なんで知ってるの?」 憂「今日梓ちゃんが話してたから…すごく嬉しそうだった」 唯「そっかー…よかった、あずにゃんこないだのデート楽しかったんだ♪」 憂「…デートなんだ」 唯「えへへ、まあねー」 憂「……」 デート…まさかそんなにはっきり言われるだなんて思わなかった。 もう少しきまり悪そうにするとか、後ろめたい雰囲気を出したっていいじゃない… 唯「それであずにゃんったらねぇ…あれ憂、どうしたの?」 憂「…別に。なんでもない」 唯「なんでもないことないでしょ?なんか怒ってるよ」 憂「…怒ってない」 唯「ふふ、嘘ついたって分かるんだよー?さぁ、お姉ちゃんに言ってみなさい!」 …だめだ。やっぱりお姉ちゃんの真っ直ぐな瞳に見つめられると、嘘はつけない… 憂「お姉ちゃんが…」 唯「ん?私がなあに?」 憂「梓ちゃんと…デートしたから」 唯「それで怒ってるの?」 憂「…うん」 唯「あはは、なんだそんなことかー」 憂「…そんなことじゃないもん」 846 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2009/12/04(金) 14 25 20 ID YaTUeU+I 唯「ごめんごめん、でも憂だってあずにゃんとお出かけするでしょ?おあいこだよ」 憂「私はお出かけだけど…お姉ちゃんはデートって言ったじゃない。それって全然違うよ」 唯「そうなのかなー?」 憂「そうなんだよ。お姉ちゃん、あんなに楽しそうな顔して…私より梓ちゃんのことが好きなんだよ」 唯「そんなことないよ。私は二人とも大好きだよ?」 憂「…それじゃやだ」 唯「へ?」 憂「私の方が好きじゃなきゃ、やだ」 唯「おお…憂って、意外にわがままなんだね」 憂「……」 唯「…ふふ」 お姉ちゃんは黙り込む私を優しく抱きしめて、耳元でこう呟いた。 唯「私…憂のこと、世界一好きだよ」 憂「…ホント?」 唯「うん、ホント」 憂「じゃあ、私とデートしてくれる?」 唯「もちろん!どこ行こっかー」 憂「あと…もう他の誰かとデートしちゃだめだからね」 唯「はいはい、しないよー♪」
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主に本スレ39を元に記述, これ以外からの出典の際は適宜注釈を入れている また、新たに知り得た事実・情報については、過去の情報に抹消線を引いた上で追記していくものとする ある程度情報がまとまってきた時点で、再度レポートを書き起こすものである 経緯 前兆 主人公「」、霊感とは頻繁に会ってはいない,「最近パチスロとかで見ないな」という噂を耳にする (時期は不明) 主人公「」、「(霊感が)家に帰ってきていない」ということを(霊感の)弟に聞く (2005/11/04,Fri 15 39 32) [S07] -スクーターに乗っていた(霊感の)弟を呼び止めて 発覚, 調査 ハマ、急に主人公「」宅を訪問 (2005/11/16,Wed 17 59 59) [S11] 主人公「」、ハマとともに外出 (2005/11/16,Wed 18 03 42) [S11]移動中に霊感失踪の件を聞く 空腹を主張、ハマに夕飯をおごってもらう 霊感の実家(アパート,千住)に到着 (2005/11/16,Wed 22 00頃)空き家である事(カーテン無し, 表札無し, メーター停止)を確認 再び話ながら移動同時にチャイナを探すが見付からず 帰還 報告 主人公「」、二次裏@双葉[dat] にスレ立て及び報告 (05/11/17,Thu 01 57 37) 証言 霊感弟 (2005/11/04 遭遇時の発言と思われる) なお、家族を含め別の場所に引っ越してしまっているため、再度会って話を聞くことはできない 「どこぞの女の家じゃないっすか?」 ハマ 調査動機 頻繁に霊感と連絡は取ってはいない、しかし多少のつながりはあったと思われる 故に何処かで誰かに失踪の噂を聞いたのでは無いか? (ハマ本人から確認は取れていない) (主人公「」の知らない)霊感の友人とハマが友人関係にあり、その人物から失踪の事を聞いて興味を持つ [S12]ハマと霊感の間に直接面識があったか否かは不明, ただしあったとしても薄いと考えられる 霊感宅の状況等を鑑みた結果不可解と感じ更に調査を進める 単独調査 (調査時期 1-2週間程度前) 霊感宅(実家では無く一人暮し先のアパート,千住近く)へ行き、「親戚の者」と称し(大家に頼んで)部屋に入れてもらう家具など部屋の状態はそのまま 争った形跡等は認められない普通の部屋 冷蔵庫も普通 霊感の写っている(卒業アルバムを含めた)写真のみ異様な状態燃えたり切り取られたりとズタボロ マジックなどで黒く塗り潰されていた (主人公「」の記憶はこのへん曖昧) 霊感の写ってる写真はもう綺麗に(全て)上記のような状態 霊感の実家へ行くも不在, 引越し? 失踪? 追記事項 霊感の親から大家へ(一人暮し先)アパートの家賃及び退去金が既に支払われている [S12] 未確認事項 霊感の姿を最後に確認した人物、場所、時間 (霊感の)家族が引越した日時、転居先 (旧電話番号も判らない) ここ1週2週だとは思うのですけど (主人公「」談) 疑問点 ハマが失踪事件を調査するに至る動機がいまいち曖昧 なぜハマは霊感の行方不明、部屋の状態を知りながら関係機関に連絡を入れていないのか?大事にはしたくない? 届けられない理由がある? 警察も辞めとけ。私らなんぞより親しい人がやってるだろうさ。 (ハマ談) [S12] 同様に、なぜ主人公「」に対して「大きな騒ぎにしない」という約束をさせたのか? 坊主とか神主とかには話したか? 話してないっす。大きい騒ぎにしない、という約束でハマさんから聞いたので。 (主人公「」談) 考えうる可能性 現時点では判断材料が乏しく、同時に今ある情報の大半が非一次的なものであるため、可能性等を考えるには困難 要確認事項 人づてに聞いた話を鵜呑みにするのでは無く、自分の目と足で事物を確認する別人を伴って霊感のアパートへ行く名義はどうなっているか? 表札, ポスト, 自転車 etc. アパートの隣人或いは大家に何か聞いていないか確認する 一人では無く複数の知人に確認を取る 公的機関に問い合わせる警察に捜索願等が出ているか確認 住民票移籍の確認 (難しい?) できれば霊感の実家と連絡をとり事実確認を行う 今後について 色々調べた結果失踪の可能性が高いと判断したのであれば関係機関(千住警察署)に届け出る誰にも告げず霊感が失踪したのであれば、家賃未納/滞納をきっかけとして大家さんが警察に届けを出すただしこの場合発覚まではかなりの時間が掛かる
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505 好き好きお姉ちゃん sage 2008/02/25(月) 23 46 39 ID uvV/anZC 『ごめんなさい、昨日の告白のことは忘れてください』 今しがた届いた短いメールを一読した恵美は、溜息をつきながら携帯電話を机の上に置いた。回転 椅子に座ったまま頬杖をつき、さてどうしたものかと考える。 背後からドアをノックする音が聞こえてきた。 「おねえちゃーん、はいるねー」 一つ下の妹が、勢いよくドアを開けて部屋に入ってくる。こちらの返事を聞くつもりは最初からな いらしい。椅子を回転させて向き直り、妹を睨みつけてやるが、気にする素振りすら見せなかった。 妹は鼻歌を歌いださんばかりに楽しげな笑顔を浮かべている。弾む足取りでこちらに向かって歩く たびに、二つ結いにした髪の房が軽やかに揺れる。実に上機嫌な様子だった。 「ねえねえ、お姉ちゃん」 「なにかしら、茜」 恵美は顔がひきつりそうになるのを堪えながら、努めて平静に返す。目の前で立ち止まった茜が、 期待に目を輝かせて、こちらの顔を覗き込んでくる。 「いいこと、あったでしょ」 「あら、いいことって、具体的にはどんな?」 「お姉ちゃんに付きまとう悪い虫が消えた!」 「あんたね」 恵美は額を押さえながらじろりと茜を見やる。 「今度はなにしたの、一体」 「べっつにー。なーんにもしてないよ、なーんにも」 わざとらしくとぼけた声で言いながら、茜がそっぽを向いて舌を出す。いつもどおりのパターンだ、 と恵美はうんざりした。 クラスメイトの男子から、放課後に告白を受けたのがつい昨日のことである。誰にも見られていた と思うのだが、どうやら茜は早速察知して、彼のところに何らかの愉快な脅しをかけに行ったらしい。 その結果として、さっきのメールが恵美の携帯電話に届いたわけだ。 「そういうことはやめなさいって、何度も何度も言ってるでしょ。別にわたし、付き合うって返事し たわけでもないのに」 「だってぇ」 茜はまだ幼さの残る顔に、不満げな表情を浮かべた。 「あんなヒョロくてナヨナヨした男がさー、ビーナスみたいに美人で菩薩みたいに性格よくてヤハ ウェみたいになんでも出来ちゃうお姉ちゃんに告白しようなんて、まさに神を冒涜するに等しい行為 だと思ったんだもん」 「ヒョロくてナヨナヨって……あんた、野球部の小野君がわたしに告白してくれたときは、『あんな 筋肉だるまの汗臭い野郎が~』とか言ってたでしょうが。要するにどんな人が相手でも不満なんで しょ、全く……っていうかヤハウェはやめなさい、いろいろ危ないから」 「はーい」 「それと、今後おなじことがあっても、もう二度とこういうことはしないこと。いいわね?」 「はーい」 茜は素直に頷いたが、実際に従うつもりはさらさらないに決まっている。なにせ、こういったやり 取りは、恵美が高校に入学してから既に何度も何度も繰り返されてきたのだから。 (わたしが誰かに告白されるたびに、絶対後から『ごめん忘れて』って言われるんだもんなー。これ で十……何回目だっけ。もう覚えてないし) 今まで自分に告白してきた男たちの、赤い顔と青い顔のビフォーアフターを思い出しながら、恵美 は深々と溜息をつく。茜がぐっと身を乗り出し、心配そうな顔を近づけてきた。 「大丈夫、お姉ちゃん。あのヒョロ男から変な菌うつされたんじゃない?」 「んなことあるわけないでしょ……っていうかあんた、近い、近いって」 茜の顔がほとんど視界一杯に広がっている。少しでも遠ざかろうと椅子に座ったまま身を引いたが、 妹はその都度じりじり顔を近づけてくる。頬が薄らと上気し、息が荒くなっているのが分かる。 「おねえちゃーん」 甘えるような声と共に、茜が抱きついてきた。小柄で華奢な妹だから、椅子に座ったままでもなん とか受け止められる。二人揃って椅子ごとひっくり返っては大変なので、恵美は仕方なく妹の体をき つく抱きしめ返した。腕の中の茜が嬉しそうに身じろぎする。こうなることを狙ってやったのは間違いない。 「こら茜、離れなさいって」 「いやー。えへへ、お姉ちゃん、いい匂い……やわらかおっぱい……」 「普通におっぱいとか言うなコラ」 恵美の胸の谷間に顔を埋めながら、茜がうっとりと息をつく。小さな手が背中を這い回っているの が分かった。ほんの少し、くすぐったい。 506 好き好きお姉ちゃん sage 2008/02/25(月) 23 47 09 ID uvV/anZC 「お姉ちゃん、茜だけのお姉ちゃん……お姉ちゃんはずっとお姉ちゃんだもん、他の奴になんか絶対 渡さないんだから」 ぶつぶつと低い声で呟きながら、茜は恵美の胸に頬を摺り寄せている。言葉の内容が物騒な割に、 表情は至福と言ってもいいほど穏やかで、満ち足りたものだった。 (まあ、別にこうやって抱きつくぐらいなら、わたしだって許さないでもないんだけど) 恵美は眉間に皺が寄るのを自覚しながら言う。 「茜。お姉ちゃんの太股にお股を擦りつけるのはやめなさい。っていうかなんか湿っぽくて気持ち悪 いんだけど」 「えへへ、お姉ちゃんのすべすべのふとももぉ……」 「今すぐ止めないと、もう二度と添い寝してあげないわよ?」 「ごめんなさい」 茜は素直に謝り、さっきから絶え間なく続けていた前後運動をぴたりと止めた。不満そうに唇を尖らせる。 「お姉ちゃんのケチ。姉妹のスキンシップも許してくれないなんて」 「スキンシップってレベルじゃないでしょ今のは」 「じゃあせめて、可愛い妹のために張り型つけて後ろから突いてくれるとか」 「可愛い妹にそんなことする姉は間違いなく変態だって」 「じゃあ変態になってよ! ずるいよわたしばっかり変態にしておいて」 「それはわたしのせいなの、ホントに?」 「お姉ちゃんがエロすぎるのがいけないんだよ! 全くもう、永遠の幼児体型が確定しつつある妹を ほっぽって、年々いやらしい体つきに成長していくんだから、このエロ姉は」 「どういう言いがかりよそれは。親父かあんたは」 「わたし我慢できなくて、日に三度はお姉ちゃんでオナニーしてるんだからね!」 「そんなこと本人目の前にして言うんじゃない」 軽くデコピンしつつ、まあその程度なら見逃してやってもいいか、と思ってしまう辺り、自分もか なり毒されてきたなと恵美は少しショックを受ける。 そんな姉の内心を知ってか知らずか、茜はまた恵美の胸に頬を摺り寄せ、うっとりとした微笑を浮 かべている。 「ねえ、お姉ちゃん」 「なに」 「茜のこと好き?」 「それは妹的な意味で? それとも違う意味で?」 「もちろん性的な意味で」 「じゃあ嫌い」 「酷い!」 「酷くはないでしょ……でも妹的な意味でなら、もちろん好きよ」 「うん。茜もね、お姉ちゃんのこと大好き」 「そう。じゃあお姉ちゃんに人並みの幸せが訪れるように、少しでいいから自重して欲しいんだけど」 「いや。男なんかと一緒になっちゃったらお姉ちゃんが汚れちゃうもん。いいじゃない、お姉ちゃん は茜が幸せにしてあげるから」 「あ、そう」 あえて素っ気なく言ってやったが、茜は特に気にした風もなく、それどころか「うん、そう」と嬉 しそうに頷いている。 二人はしばらくそのままの姿勢で黙っていたが、ふと気付くと、茜は恵美に抱きついたまま穏やか な寝息を立て始めていた。無防備な寝顔に、ついつい苦笑が漏れる。 「ったく、毎回毎回こうなるんだもんなあ。これだから、どうもあんまり怒る気になれないんだな、わたし」 一人ごちながら、恵美は茜を起こさないようにそっと立ち上がる。妹の体は自分よりも頭一つ分は 小さく、体重も子供のように軽い。だから、軽々と抱きかかえることが出来る。 恵美は茜の体をベッドの上に横たえた。服が皺になってしまうだろうが、まあそれは仕方のないこ とだろう。そっと毛布をかけてやると、茜は眠ったままその毛布をぎゅっと引き寄せ、柔らかい布地 に顔を埋めてうっとりと頬を染める。 「お姉ちゃんの匂いだー、ってか? まったく、こいつは寝てても……」 苦笑しながらベッドに頬杖を突き、恵美は茜の寝顔をじっと眺める。 昔から体が小さくて、いつも気弱な表情を浮かべて自分の後ろをついてきていた妹。逆に身長が高 かった自分が、よく近所のいじめっ子たちから守ってやっていたものだ。その頃からもう茜は自分に べったりだったが、まさかこの年になってもまだ「お姉ちゃんお姉ちゃん」と後ろをついてきている とは夢にも思っていなかった。しかも最近、姉を見る目がなんだか危ない。 (ま、考えても仕方ないかな。この子はこの子だし) 顔にかかった髪をそっと払ってやると、茜の寝顔に嬉しそうな微笑が浮かぶ。 この顔を見ていると、どんな無茶なことをされても「まあいいかな」とつい許してしまうのだ。自 分もひょっとしたら妹と同じぐらいに問題のある姉なのかもしれない、と少し思わないでもない恵美だった。
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873 軽音部員♪ [sage] 2010/08/22(日) 20 35 39 ID JX0tg3O.0 [2/4] 窓を開け、網戸にして部屋の空気を入れ替えると さっき降った夏の夕立の独特の香りが部屋に入ってきた。 この匂いが嫌いという人もいるけれど、私は結構気に入っている。 「お姉ちゃ~ん、雨やんだよ~」 夕立だからすぐにやむよと言っても、心配だからと一生懸命てるてる坊主を作っていたお姉ちゃんに一声掛ける。 「おぉ、飾る前に雨がやんじゃったよ」 お姉ちゃんはティッシュペーパーを丸める作業に夢中になりすぎて、 雨がやんだことに気づいていなかったみたい。 「あはは、そうだね。でも、せっかく作ったんだし、飾っておこっか。」 「うん!途中でまた雨が降ったら困りますからな~」 鼻歌を歌いながら最後に手にしていたてるてる坊主を完成させ、今まで作った物を全てカーテンレールにくくりつける。 --------------------------------------------- 今日は近所の神社で小さな縁日がある。 たまたま隣のおばあちゃんから聞きつけたお姉ちゃんの誘いで、 久しぶりに二人で出かけようということになった。 そんなに大きくないこの縁日は小さい頃はよく行っていたのに、最近はいつやっているかということも 忘れてしまっていたので本当にずいぶん久しぶりだ。 「お待たせ、じゃあ、いこっか♪」 「よ~し!しゅっぱぁ~つ!!」 準備を整えてリビングに下りると、すでにお姉ちゃんは準備万端らしく嬉しそうに玄関に向かう。 そんなお姉ちゃんを見て、私まで嬉しくなりながら後を追う。 せっかくのお祭りだから、浴衣でも着たいところだったが 少し急だったので今日はいつもの私服。 うぅ~ん、お姉ちゃんの浴衣姿見たかったなぁなんて少し残念だけど、 お姉ちゃんと二人でお祭りなんてそれだけで嬉しいので贅沢は言わないでおこう。 「おぉ~!お祭りだ!結構人が多いね!」 「うん、お姉ちゃん、転ばないように気をつけてね」 小さなお祭りだといっても、近所の人には意外と親しまれているらしく 神社には結構な人が集まっていた。 「憂!何から食べようか!?」 「みんなおいしそうだね~。お姉ちゃん、何が食べたい?」 「うぅ~ん、やきそば、カキ氷、フランクフルト、お好み焼き、 りんご飴、たこ焼き・・・」 ぶつぶつと真剣に悩んでいるお姉ちゃんは、いつまでも見ていたいほど 可愛いけれど、これじゃあいつまでたってもお姉ちゃんのお腹は膨れない。 「とりあえず、一通り見てみようか」 「うん、そうしよう!」 --------------------------------------------- 「はぁ~、ごちそうさまでした」 一通り屋台をうろうろして食べたいものを食べて、お姉ちゃんは満足そうにお腹をぽんぽんとたたいた。 「ついてるよ~」 「ん、ありがと~」 そう言いながらお姉ちゃんの口の端についた青のりを、ハンカチで拭く。 お姉ちゃんは顔を差し出して、されるがままだ。 「ふ~、一通り見て回ったし、そろそろ帰ろうか?」 「そうだね~、もうこれ以上何も入らないよ」 「ふふ、お姉ちゃん、食べることばっかり」 「む~、そんなことないよ~」 「きゃっ」 話しながら歩いていると、子供連れのお父さんとぶつかって転びそうになってしまった。 「ごめんんさい」 体勢を立て直して謝ると、あちらも同じように謝ってくれる。 「ほい」 少し黙って何か考えていたお姉ちゃんがにこにこと笑いながら手を差し出す。 「もう転ばないようにね!」 少し自慢げにさらに手を私のほうに近づける。 そういえば、私がまだ泣き虫だった頃。 この縁日で同じように私が転んで、お姉ちゃんが手を差し出してくれたあの日のことを思い出す。 「えぇ~~~ん、お姉ちゃ~ん…痛いよ~」 「痛いの痛いの飛んでけ~。ほら、憂、飛んでったよ!」 「…ほんと?」 「うん、痛いのはあっちに飛んでいったよ!」 「…うん!ありがとうお姉ちゃん」 「ほい、もう転ばないように手を握ってあげる!」 「わ~い」 「私は憂のお姉ちゃんだから!」 874 軽音部員♪ [sage] 2010/08/22(日) 20 38 54 ID JX0tg3O.0 [3/4] 遠い記憶を掘り起こして、あったかい気持ちになりながらお姉ちゃんの手に自分の手を重ねる。 「ありがとう、お姉ちゃん」 「ん、私は憂のお姉ちゃんだからね!」 重ねた手が離れないようにぎゅっと力強く握ったお姉ちゃんのその手は凄く暖かくて頼りがいがある。 いつもぐったりしているお姉ちゃんも大好きだけど、たまに見せる頼りがいのあるお姉ちゃんもかっこいいなぁ。 「ねぇ、憂。 私は一生憂の事守るからね~」 その言葉に一瞬どくんっと心臓がはねるけど いつものようにへらっと笑いながら言うお姉ちゃんを見て別に他意はないんだろうなって思う。 わかってはいるけど全然大人しくならない心臓に、 恥ずかしくなりながら下を向いて、一言だけありがとうとつぶやいた。 その声は自分でも驚くほどに小さくて、お姉ちゃんに聞こえたかもわからない。 --------------------------------------------- 手を繋いだままお祭りの明かりが遠くなっていく途中で、お姉ちゃんが急に立ち止まる。 どうしたのかな? もしかして、繋いだ手から私のどきどきが伝わってしまうんじゃないかって 心配でお姉ちゃんのお話にうまく返事出来ていなかったのかもしれない。 「ねぇ、憂。」 顔を上げてお姉ちゃんの顔を見ると、少し困ったような泣きそうな顔をしている。 「ど、どうしたのお姉ちゃん?」 予想外のお姉ちゃんの顔に驚いて返事をすると。 「さっきのって、プロポーズだったり…」 「え?」 お姉ちゃんの言った言葉の意味がよく理解できなくて聞き返す。 「私じゃ頼りないかもしれないけど、 全然、憂とはつりあわないかもしれないけど… でも、好きだから。 一生守りたいって言うか、一緒にいたいって言うか… うぅ~ん、…もっとかっこ良く言うはずだったのになぁ…」 最後の方は真っ赤になった困った顔を隠すようにうつむいてしまう。 つながっているお姉ちゃんの手が少し汗ばんできて、緊張しているのが私にも伝わってくる。 私は。 涙が止まらない。 早く伝えなくちゃいけないのに。 不安そうなお姉ちゃんの顔をすぐにでも変えてあげたいのに。 溢れ出る涙が止まらない。 「どう…かな?」 恐る恐る顔を上げ、緊張した面持ちで上目遣いに聞いてくるお姉ちゃん。 「…お願い…うっ…しま…す」 やっとのことで搾り出したその言葉にお姉ちゃんがびくっとしてからぽかんとする。 「えぇ!!! い、良いの?好きってこう、姉妹としてとか、そういうことじゃないよ? ちゅ、ちゅ~とかそういう、こ、ことも! そういう好きだよ!?」 お姉ちゃんは凄く意外そうに何度も何度も聞いてくる。 「ふふ」 私はそんなお姉ちゃんに可笑しくなって泣き笑いみたいになってしまった。 その泣き笑いの表情のまま。 「はい…お願いします」 みるみるうちに太陽のような笑顔になったお姉ちゃんをみて、私の心臓はまた大きくどくんっと跳ねる。 やっぱり私はおねえちゃんの笑顔が大好きなんだなぁ。 「…ありがとう憂!!」 つないだ手を急に離して勢い良く抱きついてきたお姉ちゃんを支えきれなくて少しよろけてしまう。 「あ、ごめんごめん」 「ふふ」 家までの帰り道。 いつもより手を少し強く握ったまま二人で短い道のりを帰った。 「お姉ちゃん、さっきのだけど」 「ん、さっきの?」 「うん、ちゅ、ちゅ~とか///」 「お、おぉ///」 「まだ、ちょっと早いかな?///」 「う、うん、そうだよね///」 「ちょっとだけ、恥ずかしいよね///」 「そ、そうだよね!///」 「そ、そのうち…ね///」 おわり 感想をどうぞ 名前 コメント すべてのコメントを見る
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憂「どうしたの……?」 ※ 唯「卒業アルバムの写真のために前髪を切ろうとしたんだ」 憂「うん」 唯「そしたらくしゃみのやつにジャマされてね」 憂「う、うん」 唯「くしゃみして、うっかり前髪を切ってしまたのさ……マンガだろ?」 憂「お、お姉ちゃん……」 唯「前髪が半分になった私はモブにもおとる。だからもう主役をすることもできないし、憂のお姉ちゃんをやることもできない」 憂「そ、そんな……」 唯「ははは、おかしな話だよ。憂は髪型が変わっても私のコピーにしかならないのに」 唯「りっちゃんは前髪下ろしたらイケメンになるのに」 唯「あずにゃんも髪ストレートにしたらよりペロペロしたくなるのに」 唯「私は前髪をなくしたら魅力半減ってどういうこと?」 憂「そ、それは……」 唯「おそらく一ヶ月は、もとには戻らない。はは」 憂「お、お姉ちゃん……」 唯「私、密かに澪ちゃんの髪に懸念を抱いてたんだ」 憂「たしかに澪さんの髪は最近になって薄くなってるね」 唯「しかし結果はどうだよ」 憂「そ、それは」 唯「人の髪の毛心配してたらこれだよ。笑えるよね」 憂「あ、あははは」 唯「笑うな」 憂「あ、はは」 唯「笑うな」 憂「ごめんなさい」 憂「で、でも前髪がなくなったからって関係ないよ。お姉ちゃんは私のお姉ちゃんだよ!」 唯「だから今の私はモブ以下なんだよ」 憂「それがなにか関係あるの?」 唯「妹をもてるのは主役だけなんだよ」 憂「そうなの?」 唯「うん」 憂「で、でもたかが一ヶ月ならいいんじゃない?」 唯「バカヤロー!」 憂「あぐうっ!」 唯「夏休みの一ヶ月間が受験生には勝負なんだよ」 憂「うん」 唯「さらに一ヶ月はアニメに換算すれば四話、韓国ドラマに言ってしまえば八話にもおよぶ」 憂「知らなかった」 唯「私も韓国ドラマについては澪ちゃんから聞いただけなんだけどね」 唯「それに私にこの前髪がなかったら……ああ」 憂「ま、まだなにかあるの?」 唯「私に前髪がなかったらエンディングの私(Lost.Ver)にもなれないし」 憂「ああ、あの色っぽいお姉ちゃんかあ。ところでLostって、なにをLostしてるの?」 唯「処女」 憂「処女?」 唯「あの顔はやっぱり大人の女の顔でしょ。いやあ、私もなんだかんだ言いつつ大人になるんだよね」 憂「待ってお姉ちゃん。お姉ちゃんは私と一緒に一生バージンロードを歩まなきゃダメだよ」 唯「なんで?」 憂「ファンが悲しむでしょ!」 唯「ふふん~♪」 憂「なんで耳栓するの?」 唯「これから豚がたくさん鳴くんでしょ?だからうるさくないようにと思って」 憂「ファンを豚言うな」 唯「だいたいバージンクイーンだって実際にはバージン守ってなかったんだからさ」 唯「私だっていつまでも守れるとは思えないよ」 憂「そんなことないよ。お姉ちゃんのバージンは私が守るよ」 唯「憂はむしろ私の貞操を危機に追い込むでしょ?」 憂「たしかに誰かに散らされるくらいなら……」 唯「まあそんな気にしないでよ」 唯「どうせ私が処女をなくしたころにはファンも私たちの記憶をなくしてるからさ」 憂「真理だね」 憂「でもお姉ちゃん、前髪ないとマヌケだね」 唯「うん。そう思うとりっちゃんは前髪あげてるのに素晴らしくカワイイと思うよ」 憂「お姉ちゃんも髪あげれば?」 唯「やめてくだせー(棒読み)」 憂「どうして?髪あげるのやなの?」 唯「おでこだけは勘弁してくだせー」 憂「ねえ、お姉ちゃん」 唯「なんだい、過去になりつつ妹よ」 憂「お姉ちゃん正直なところ前髪あげるのそんなにいやじゃないでしょ?」 唯「わかんないや。でも言われてみると……」 憂「だって考えてもみて。お姉ちゃん、幼稚園時代から髪あげてたよ」 唯「本当だね」 憂「それに高一のときの文化祭で焼きそば作ってるとき、おでこ全開だったよね?」 唯「……自分がよくわからないや」 憂「一貫性がないね」 唯「人間だもの」 憂「そうだね、人間だから好みも変わるよね」 唯「まあ監督がきちんと私を把握してなかっただけかも」 憂「文句言ってくる」 唯「ふ……干されるからやめとけ」 唯「ていうかなんで私、自分で前髪切ろうとしたんだろ?」 憂「梓ちゃんから聞いた話によると、美容院に行くと前髪を切られすぎるから、とのこと」 唯「憂……」 憂「なにお姉ちゃん」 唯「私って馬鹿なのかな」 憂「なにが?」 唯「そんなの少し切ってと言えばすむ話だよね」 憂「そうだね」 唯「そもそも美容院さんは素人が髪切っていじるの嫌うしね」 憂「本当にね。お姉ちゃん実は美容院じゃなくて床屋で髪切ってる?」 唯「はは、知ってる憂?床屋だと鼻毛まで切ってくれるんだよ。顔も剃ってくれるし」 唯「美容院だと、ストパーとかかてもらったりして4、5時間平気でかかるから床屋みたいにさらっと終わってくれたほうが気楽だよ」 憂「でもお姉ちゃん、美容院も行くでしょ?なんでわざわざ面倒な美容院に行くの?」 唯「お菓子とコーヒーが目当てで、ついね」 憂「お姉ちゃん。お菓子くらい買ってあげるよ?」 唯「はあ……あの頃はよかった」 唯「前髪があった頃は髪型決めるのが楽しくてしかたがなかったよ」 憂「鏡の前でなんかしてたね」 唯「あはーん、うふーんってね。ワックスもつけずによくもまああんなに髪型が変わったもんだよ」 憂「天パーだからかな」 唯「かなあ?まあなんでもいいけどね。はあ~」 憂「まあ今日は寝なよ」 唯「うん、そうする」 唯「次の日の朝。私はもしかしたら髪がもう伸びているのではという期待を抱いて目を覚ました」 唯「もちろんそんなことはなかった。憂鬱だ。メランコリ・オブ・平沢唯」 憂「朝から独り言多いね」 唯「ライフラインがなくなったからね。今の私はなにを喋ってもいいんだよ」 憂「とりあえずご飯食べようね」 唯「はあ。髪のびないかな?」 憂「エッチな人は髪のびやすいんだって」 唯「処女捧げてくる」 憂「その前髪で誰が釣れるの?」 唯「…………ご飯、食べようか、憂」 憂「そうだね」 唯「学校行きたくないよ」 憂「卒業アルバムどうするの?」 唯「写りたくない」 憂「あとから公開するから学校行ったほうがいいって」 唯「今後悔するのとあとで後悔するのとなら、私はあとで後悔するのを選ぶよ」 憂「夏休みの宿題じゃないんだから引き伸ばさなくてもいいよ」 憂「ほら、朝ごはん早く食べちゃって」 唯「憂、私はとんでもないことに気づいたよ」 憂「早く食べて」 唯「ぱくっ、もぐもぐ……あのね、私はとんでもないことに気づいたんだけどさ」 憂「早く食べ終わって」 唯「もぐもぐ、もぐもぐ……でね、憂。これがかなり重要なんだけど」 憂「早くごちそうさまして」 唯「ごちそうさま」 憂「おそまつさまでした」 唯「でね、憂」 憂「学校行く準備して」 唯「ふっ……前髪がなくなったら心なしか妹が厳しいぜ」 唯「私と憂は今現在登校中である」 唯「朝から妙に冷たい妹に話しかけるべきかどうか迷っている最中だ」 唯「私は恐る恐る妹に話しかけた」 唯「ねえ、憂」 憂「普通に話しかけてほしいんだけど」 唯「私はね、とんどもなく重要なことに気づいたのだよ」 憂「なにに気づいたの?」 唯「聞きたい聞きたい?」 憂「早く言って」 唯「はい」 唯「憂は文化祭で私が木の役をしてたのは知ってるよね」 憂「あの意味のない役だよね」 唯「いったいあれはなんなんだろうねとは私も前から思ってたけど、意味がないとか言わないで」 憂「それで?」 唯「私があの木(Gの役)やってるとき、くしゃみしそうになったのは覚えてる?」 憂「すごくいい顔してたね」 唯「あとでさわちゃんに映像見せてもらったら死にたくなったよ」 憂「私も写メしたけど見る」 唯「やめろ」 憂「で、それがどうしたの?」 唯「おそらくあれは伏線だったんだよ」 憂「伏線?」 唯「そう。私がくしゃみをして前髪をバッサリやっちゃうっていうね」 憂「くだらないと思うけど、言われてみるとお姉ちゃんってやたらくしゃみしてるよね」 唯「やたら鼻水たらすしね」 憂「私が風邪を引いても鼻水垂らさなかったもんね」 唯「私なんか毎回誰かにティッシュでふー、してもってるよ」 憂「で、結局伏線ってそれだけ?」 唯「それだけ」 憂「さ、早く学校行くよ」 唯「そうだね」 唯「こちら平沢。現在三年二組に潜伏している。時刻は、一一三七」 唯「一応タオルで身を隠しているもののいつまで持ちこたえられるかわからない」 唯「……おい、聞いているのか」 唯「どうした衛生兵!?おい!」 唯「くっ……ここまでか」 律「お、唯なにしてんの?ていうかタオル外せよ」 唯「あう~」 律「もしかしてまだ前髪を気にしてんのか?」 唯「ええ、そのとおりでございます」 紬「そんなに気にしなくても大丈夫よ。唯ちゃんカワイイから」 唯「そ、そうかな?」 澪「私が言うのもなんだけどきっと大丈夫だよ」 唯「だよねー?」 律「うんうん、問題ない」 和「なんの話してるの?」 唯「あ、和ちゃん」 唯「実は昨日うっかり前髪を切り落としてね……ご覧のとおりです」 和「…………」 2